諦められない
息子が最後の場所に選んだ家から5分程の小高い山
毎日犬の散歩で前を通る
その度にその場所を見上げずにはいられない
苦しくて胸が押し潰されそうになりながら心の中で手を合わせてる
その場所に続く階段の下
立ち止まり、見上げる
階段を一段飛ばしで登っていく息子の後ろ姿が見えるような気がする
あの日、息子は二度と降りてこない決心をして、この階段をどんな気持ちで登ったんだろう
息子が逝った理由
明るくて陽気でいつも穏やかな息子がこんな激しい行動をとるなんて…
訳がわからない
想像する…
息子が口にしていた言葉や何気ない行動の僅かな手がかりから私なりに考えてみる
考えても考えても分からない
すべて想像…
お腹を痛めて産んだ子なのに
幼い頃は分身のように思えた
何をするのも一緒、何でも話してくれた
息子のことは何から何まで分かっているつもりだった
思春期になって自我が芽生え、私とは違う価値観で生きてる別人格なんだと思い知らされて、寂しい思いをしたこともあった
自立心旺盛な子
親の干渉や口出しを嫌った
でもそれも成長の証と、頼もしく思っていた
最近、息子もすっかり大人になって、適度な距離を保ちながら安定した親子関係の中、私なりに息子のこと理解しているつもりでいた
だけど
何も分かっていなかった
こんなに近くにいたのに息子の苦悩も分からず、息子の将来を夢描いていた
自死した理由すらわからないなんて
血の繋がり、親子って何なんだろう
ここ数日、気持ちが落ち込んで上がって来れなかった
あの子がいないこの世界で生きていくこと
やっぱり私には無理…
愛嬌いっぱいの優しい笑顔を思い浮かべると苦しくて、現実から逃避してしまう
「あの子はいつか帰ってくる…、また会える…」
いつもの誤魔化し作戦
いつまでこんなこと続けるんだろう
どうしたらあの子のところに行けるのかな
夫と娘を傷つけないで逝く方法
そんなことばかり考えてしまう
毎朝 明け方早くに目覚めてしまう
一日のうちで一番辛い時間
「あぁ、またあの子のいない一日が始まる」
悲しくて、苦しくて、悔しい…
頭がおかしくなりそう
何故だか怒りが込み上げてくる
会いたい
会いたいよ
背が高くて広い肩幅、頼りがいのある身体
そこにいてくれるだけで安心だった
あなたの体温を感じたい
諦めるしかないのに…
諦められない
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